2024/03/13企業情報
新規子会社設立および事業譲受に関するお知らせ
相模屋食料株式会社(本社:群馬県前橋市 代表取締役社長 鳥越淳司、以下 相模屋)は、新たに 100%出資による子会社を設立し、当該子会社において、株式会社三和豆水庵 (本社: 茨城県古河市代表取締役社長 豊田喬、以下 三和豆水庵)より、同社の豆腐製造事業を譲り受けることについて契約を締結いたしましたので、下記の通り、お知らせいたします。
1.事業譲受の背景
日本の伝統食品である豆腐の市場は成熟市場として長く停滞状況にあり、豆腐業界は厳しい事業環境の下、年々縮小傾向にあります。後継者不足や原材料費・物流費の高騰、ライフスタイルや食生活の変化による豆腐消費量の減少等を背景とした業界の縮小傾向に歯止めをかけ、再活性化を図ることが業界にとっての喫緊の課題となっております。
相模屋は豆腐製造業界のリーディングカンパニーとして、日本の伝統的な食文化である「豆腐文化」を守るため、これまで事業継続支援を中心とした業界再編に積極的に取り組んでおり、豆腐・大豆加工品食品事業継続への支援を展開してまいりました。相模屋の生産管理や製造技術等のノウハウを活用した事業基盤強化と新規ラインの導入などの設備投資により、早期での事業収益改善を実現しております。業界の活性化に加え、地場産業色の強い豆腐業界における豆腐製造事業継続を実現することで、地域における豆腐文化の維持や技術の継承、雇用の維持に注力しております。
2.事業譲受の内容
三和豆水庵 は1989年に茨城県古河市で創業された豆腐メーカーです。関東地区を中心に湯葉や豆腐、厚揚げなどの大豆加工品を製造し、地域の豆腐供給を担ってきました。
しかし、原材料の高騰や販売単価の下落など厳しい市場環境の下、近年は厳しい経営状況が続いており、一昨年からのエネルギーコスト高騰も重なって、一層厳しい状況となっております。
このたび、三和豆水庵再建のため、同社から相模屋へ支援の要請があり、関係者間で協議を重ねてまいりました。その結果、三和豆水庵が担ってきた地域における安定的な豆腐供給、ならびに豆腐文化を守ることを目的に、三和豆水庵の豆腐・大豆加工食品製造事業を譲り受け、相模屋グループの企業として再建を図ることで合意いたしました。日本の伝統的な木綿や絹といったベーシックな豆腐で関東エリアの豆腐供給を担うとともに、湯葉の文化を広げ、支えてきた三和豆水庵の豆腐製造事業継続は、特色ある豆腐文化の保護と継承に必須であると判断し、本支援を決定いたしました。三和豆水庵の再建支援を通して、日本の豆腐文化の保護・継承に全力を尽くしてまいります。
なお、従業員の雇用を維持し、社名の変更もありません。
3.事業譲受日
2024 年 3月13日
4.新会社(譲受会社)の概要
5.「新生三和豆水庵」の取り組み
三和豆水庵の再建にあたっては、これまでの同業支援と同様に対象会社の社名を残しながら、従業員の継続雇用を基本に新生三和豆水庵として再建に向けた取り組みをスタートします。相模屋本社ならびにグループ会社を含む近隣の拠点から製造・販売・管理等、事業のすべてにかかる部門において支援人材を派遣、再建に向けた事業改善を進めます。生産・販売・物流一貫での改善を行うなど、グループ会社化した企業の再建で培った支援手法を用いて、三和豆水庵が培ってきた豆腐製造、特に湯葉へのこだわりや技術を発揮できる環境をつくり、確実な再建を目指します。
関東エリアにおける安定的な豆腐供給基盤を強化するとともに、湯葉という特色ある豆腐文化のさらなる発展と継承に力を尽くしてまいります。
また、国産大豆を使用した豆腐製造にも力を入れ、国産農産物の振興と生産基盤の安定化に努めてまいります
以上
【相模屋食料株式会社 会社概要】
■代表者 | 代表取締役社長 鳥越 淳司 |
■本 社 | 群馬県前橋市鳥取町123 TEL:027-269-2345 |
■設 立 | 1951 年 10 月 |
■資 本 金 | 8,000万円 |
■売 上 高 | 410億円(2024年2月期計/グループ計) |
■事業内容 | 大豆加工食品(豆腐・油揚げ・厚揚げ等)製造および販売 |
■事業の特徴 | 豆腐の基本である木綿とうふ・絹とうふに最も力を入れることで培ったノウハウをもとに「おとうふをおもしろくする」をコンセプトにした自社開発商品も広く展開する豆腐業界のリーディングカンパニー。機動戦士ガンダムとコラボレーションした「ザクとうふ」、Plant Based Foodとしてのおとうふの魅力を伝える「ナチュラルとうふ」「BEYOND TOFU」、ウニのような味わいを実現した「うにのようなビヨンドとうふ」などで、伝統食品おとうふの魅力を幅広い層へ伝えています。また、レンジ調理で気軽に食べられる簡単即食の「ひとり鍋」シリーズ・「とうふ麺」などのおとうふ惣菜商品や、常温保存で賞味期限180日間を実現した「おだしがしみたきざみあげ」などを展開。素材型の食品である豆腐の世界を広げています。 |
<ご参考>
相模屋による豆腐メーカーの事業継続・再建支援の取り組み
相模屋は、2012年5月に株式会社デイリートップ東日本(神奈川県川崎市)を株式取得により子会社化して以降、豆腐業界の再編に向けた取り組みを積極的に進めております。減少傾向が著しい豆腐業界(図1参照)において、地域における豆腐製造と雇用を維持し、地域に根付いた豆腐文化を守るために、事業継続の支援要請に応える形で取り組んできています。大手・中堅企業の子会社として豆腐製造事業を行う企業や、地域でこだわりの豆腐製造を行う小規模企業など規模やエリアにこだわらず支援を行っており、これまでに豆腐メーカー11社が相模屋グループとなり、事業を継続しています(注1)。
子会社化した企業については大胆にビジネスモデルを転換する支援手法により、生産・販売・物流一貫での改善を行って早期での収益改善を実現しております。既に4社が債務超過解消、5社が黒字化、1社が黒字化に向けて取り組みを進めております(表1)。
また、本取り組みは事業継続支援に留まらず、豆腐業界における同業者間の事業承継モデルを確立しております。譲受会社の社名や技術の継承、雇用の継続を前提にした経営改善・再建実績が新たな支援要請へとつながってきました。このような取り組みを通して、中小企業の重要課題である事業承継にも引き続き注力してまいります。
(注1)その他、2014年2月に群糧株式会社(大豆・副原料卸売業)を経営者の高齢化に伴う事業承継により子会社化しています。
(表1)
※もぎ豆腐店は事業承継時点で資産超過
(図1) 豆腐製造施設数推移
(出典:令和4年度 厚生労働省 衛生行政報告例)
【本件に関するお問い合わせ先】
相模屋食料株式会社 広報部 片岡
電話:03-5213-4955