2019/07/01企業情報
子会社設立および事業譲受に関するお知らせ
相模屋食料株式会社(本社:群馬県前橋市 代表取締役社長 鳥越淳司、以下 相模屋)は、新たに全額出資による子会社を設立し、当該子会社が株式会社京都タンパク(本社:京都府京都市伏見区 代表取締役社長 八陳康夫、以下 京都タンパク)より同社の豆腐製造事業を譲り受けることについて契約を締結いたしました。概要は次のとおりです。
1.事業譲受の背景
日本の伝統食品である豆腐の市場は成熟市場として長く停滞状況にあり、豆腐業界は厳しい事業環境の下、年々縮小傾向にあります。後継者不足や原材料費・物流費の高騰、ライフスタイルや食生活の変化による豆腐消費量の減少等を背景とした業界の縮小傾向に歯止めをかけ、再活性化を図ることが業界にとっての喫緊の課題となっております。
相模屋は豆腐製造業界のリーディングカンパニーとして、日本の伝統的な食文化を守るためにも、これまで事業継続支援を中心とした業界再編に積極的に取り組んでおり、豆腐・大豆加工品食品事業継続への支援を展開してまいりました。相模屋の生産管理や製造技術等のノウハウを活用した事業基盤強化と新規ラインの導入などの設備投資により、早期での事業収益改善を実現しております。業界の活性化に加え、地場産業色の強い豆腐業界における豆腐製造事業継続を実現することで、地域における豆腐文化の維持や技術の継承、雇用の維持に注力しております。
2.事業譲受の内容
京都タンパクは1975年に京都で創業された豆腐メーカーです。豆腐文化発祥の地である近畿でもトップクラスの豆腐づくりの技術を有しており、豆腐文化の頂点「京とうふ」を代表する位置づけに評価され、近畿の豆腐業界を牽引してきました。京都伏見の伏流水を使用してつくられる上質な豆腐は、近畿の舌の肥えたお客様から高い支持を受けており、販路も近畿一円から全国に広げています。一方、原材料の高騰や販売単価の下落など厳しい市場環境の下、近年は厳しい経営状況が続いてきました。
このたび、京都タンパク再建のため、同社から相模屋へ支援の要請があり、関係者間で協議を重ねてまいりました。その結果、豆腐文化の頂点であり、豆腐の象徴とも言うべき「京とうふ」を守ることを目的に、京都タンパクの豆腐・大豆加工食品製造事業を譲り受け、相模屋グループの企業として再建を図ることで合意いたしました。
古くから独特な豆腐文化が定着してきた近畿では、つくり手の豆腐づくりへのこだわりとお客様の味へのこだわりが育まれてきました。上質な豆腐をつくり、それを評価する正統な豆腐文化が根付いている地で、その文化を牽引し醸成してきた「京とうふ」の担い手を絶やさず守ることは、豆腐文化そのものの保護と次世代への継承に必須であると判断し、本支援を決定いたしました。京都タンパクの再建支援を通して、「京とうふ」ならびに豆腐文化の保護・継承に全力を尽くしてまいります。
3.事業譲受の内容
相模屋は全額出資の子会社を新規に設立し、京都タンパクの豆腐・大豆加工食品製造事業を譲り受け、従業員ともども京都タンパクの豆腐製造業務を引き継ぎます。下記の通り、社名の変更ならびに所在地の変更はありません。
4.事業譲受日
2019 年 7月 1日
5.事業譲渡会社の概要
6.新会社(譲受会社)の概要
7.相模屋によるこれまでの事業継続支援
相模屋は、2012年5月に株式会社デイリートップ東日本(神奈川県川崎市 以下、デイリートップ東日本)を株式取得により子会社化して以降、豆腐業界の再編に向けた取り組みを積極的に進めております。減少傾向が著しい豆腐業界(図1参照)において生産減少に歯止めをかけ、地域における豆腐製造と雇用を維持するため、事業継続の支援要請に応える形で取り組んできています。大手・中堅企業の子会社として豆腐製造事業を行う企業や、地域でこだわりの豆腐製造を行う小規模企業など、規模やエリアにこだわらず支援を行っています。2014年1月には株式会社秀水(栃木県塩谷郡 以下、秀水)、2017年10月には石川サニーフーズ株式会社(石川県中能登郡)、2017年12月には日本ビーンズ株式会社(群馬県伊勢崎市)、2018年7月には匠屋株式会社(兵庫県伊丹市)が相模屋グループとなり(注1)、事業を継続しています。
子会社化した企業については、大胆にビジネスモデルを転換する支援手法により、生産・販売・物流一貫での改善を行い、早期での収益改善を実現しています。デイリートップ東日本や秀水は既に債務超過解消を実現しており、そこで培った支援ノウハウをもとに、後発の3社も順調に再建を進めており、石川サニーフーズについては子会社化2期目で完全黒字化を果たしております。
8.「新生京都タンパク」の取り組み
京都タンパクの再建にあたっては、「京とうふ」の保護と継承を目的としたものであることから、「京とうふ」の代表的な存在であった京都タンパクのブランドを維持しつつ、さらなる発展を図ります。これまでの同業支援と同様に対象会社の社名を残しながら、従業員の継続雇用を基本に新生京都タンパクとして再建に向けた取り組みをスタートします。相模屋本社ならびにグループ会社を含む近隣の拠点から製造・販売・管理等、事業のすべてにかかる部門において支援人材を派遣、再建に向けた事業改善を進めます。生産・販売・物流一貫での改善を行うなど、子会社化した企業の再建で培った支援手法を用いる一方、豆腐の製造については京都特有の製法やこだわりを踏襲し、「京とうふ」のメーカーとして京都の豆腐文化を守りつつ、確実な再建を目指します。
なお、再建開始に先立ち、相模屋では2019年4月に西日本支社(兵庫県伊丹市池尻7丁目139)を開設し、西日本エリアにおける相模屋グループ間での機能的な支援人材派遣を可能にしました。相模屋ならびにグループ会社から高い技術やスキルを有する人材を西日本支社に配置することで、西日本エリアにおけるグループ間での支援体制を強化し、京都タンパクの早期再建を図ります。さらに、グループ間での支援人材派遣を恒常的に活用することでグループ全体の事業基盤の底上げを実現するとともに、グループ企業の人材の活躍の場を広げ、さらなる成長の機会を提供してまいります。
以上
(注1) その他、2014年2月に群糧株式会社(大豆・副原料卸売業)を経営者の高齢化に伴う事業承継により子会社化しています。
(図1) 豆腐製造施設数推移
【相模屋食料株式会社 会社概要】
■代表者 :代表取締役社長 鳥越 淳司
■本 社 :群馬県前橋市鳥取町123 TEL:027-269-2345
■設 立 :1951 年 10 月
■資 本 金 :8000 万円
■売 上 高 :254 億円(2019 年2 月期計/グループ計)
■事業内容 :大豆加工食品(豆腐・油あげ・厚揚げ等)製造および販売
■事業の特徴 :
豆腐の基本である木綿とうふ・絹とうふに最も力を入れることで培ったノウハウをもとに「おとうふをおもしろくする」をコンセプトにした自社開発商品も広く展開する豆腐業界のリーディングカンパニー。機動戦士ガンダムとコラボレーションした「ザクとうふ」、F1層(20~34歳女性)向けに開発したおとうふ「ナチュラルとうふ」シリーズ、「BEYOND TOFU」などで、伝統食品おとうふの魅力を幅広い層へ伝えています。また、レンジ調理で気軽に食べられる簡単即食の「ひとり鍋」シリーズや「とうふ麺」などのおとうふ惣菜商品を展開。素材型の食品である豆腐の世界を広げています。
【本件に関するお問い合わせ先】
相模屋食料株式会社 広報部 片岡
電話:03-5213-4955